MONTHLY COLUMNマンスリーコラム
- yamaTOPICS
- 月一回更新のマンスリーコラム「ヤマトピックス」
- 2023.11
- あなたのすぐ近くに迫る「クマ被害」について。
この時期に流れてくる「クマ被害」のニュース。
当社も山間部や森林地帯の現場へ伺うこともよくあり、屋外での打ち合わせ中に草木 の擦れる音で「ドキッ!」とすることもあります。
石川県内ではショッピングセンターや介護老人施設にクマが侵入して大騒ぎにもなり ましたね。
この「クマ被害」ですが、日本国内で2013年~2022年の10年間で被害者977人、うち 死亡が20人となっています。
主に9割の被害が北海道と東北に集中していますが、最近では生息域が人里近くまで 広がり、市街地周辺で活動する「アーバンベア」と呼ばれるクマも現れる始末。
行楽シーズン真っ只中ですが、本当に注意したいですね。
さて海外に目を向ければ「ベア・カントリー」と呼ばれ、日本の20倍以上のクマが生 息する「アメリカ」。
どれほどの被害があるのかと思えば、意外なことにアメリカ国内での被害件数は年間 でも数件程度、北米全体を見ても一握りしか報告はないそうです。
これはなぜか?
ロッキー山脈のふもとに位置し、山岳地帯や樹林帯を多く抱える「コロラド州」には 約17,000頭から20,000頭のクマが生息していると言われます。
コロラドではクマとの「共生」が昔からなされており、クマとの距離感を常に意識し ながらともに暮らす方法が息づいています。
行政はホームページや配布物、看板や宣伝カーを使って以下の内容を住人にアナウン スします。
・コロラドのどのあたりで多くみられているか。
・どんな時間帯に活動しているか。
・どの時期に活発に活動するか、など。
また住人自身も「ベア・プルーフ」と呼ばれるクマたちが簡単には開くことのできな い機能付いたゴミ箱を利用したり、においが広がらないように窓を閉め切って調理し たり、ドアノブもクマが捻らないように丸い形状のものを利用したり工夫していま す。
ここでは自分の近くにクマがいることは当然のこと。
あえて距離を詰めたりしないし、クマが市街地に来る理由を根本から排除してお互い の住まう領域を完全に分けることが徹底されているようです。
ここ最近、空前のキャンプ・ブームとなり多くのご家族連れや友人グループが山奥に 分け入っていますよね。
そこでご馳走を作る、食べる、残飯が残るではまるでキャンプ場にクマを呼び寄せて いるようなもの。
クマ被害を減らすためにも、まずは自身の行動をキャンプ場はもちろん、ご自宅のご み管理にも注意を払いクマを呼び寄せない環境を作ることが大事ですね。